2024年9月24日火曜日

放送大学で理数系を学ぶ

 2024年4月に放送大学の産業と社会コースに入学しました。

入学前の1年間、選科履修生として入学し、続けられそうだったので入学費用を抑えるための入学ではあるのですが、入学するとやっぱり卒業したくなるもので、必要な単位を意識しながらやっています。


ただ、選科履修生の時に取得した単位と、昔々一度放送大学の選科履修生をやった時に取得した単位を合計すると60単位弱ありますので、卒業までに取得しなければならない単位数だけでいえば3年次編入と同じくらいの負担感です。


昔々に在籍していた時(この時も1年間)はどちらかというと教育学に興味があったので、いまでいうところの心理と教育コースの単位数が多く、現時点(1年目1学期終了時点)では、入学コースの産業と社会コースよりコース科目の単位数が多い状態です。

所属の産業と社会コースにおいても、残り10単位ほどとれば所属コースの単位取得要件は満たせるので、残り3年以上あることを考えても興味があるものだけをとれば十分という程度です。


入学時点ではどちらかというと自分のビジネスでの課題にヒントを与えてくれるような勉強をしたいとおもい産業と社会コースを選んだのですが、ふたを開けてみるとやっぱりアカデミックな場所ではもう少しリベラルアーツ寄りなものをやったほうが良いのではないかと思えてきました。


前置きが長くなりましたが、そんなわけで1年目の2学期は理系科目として「初歩からの生物」と「物理の世界」をとることにしました。


私は高校時代物理と化学をとっていましたので、細かい数字や式はともかく、概念として物理や化学はわかります。一方で生物は全くと言っていいほど知識がないです。

「初歩からの物理」にするか「物理の世界」にするかは少し悩みましたが、初歩からの物理は教科書を書店で購入して放送を見れば十分かなと思い、チャレンジとして物理の世界にすることにしました。

初歩からの物理も決して簡単な科目ではなく、式の変形をしっかり追っていく必要がありますが、物理そのものを大学レベルで考えるのであれば物理の世界のほうがまとまっているように思えました。

岸根先生は放送大学で多くの授業を担当され、教科書を書かれていることもあってか、教科書では厳密に高いレベルを要求しつつも、放送ではその理解の入り口の部分を丁寧に説明される印象です。

特に初歩からの物理のアシスタントである中島朋さんは、ご自身物理は十分に理解されている方であるのに、視聴者目線に沿いながら進められていていいですね。



2024年9月3日火曜日

放送大学2025年度開講科目

 放送大学の図書目録で2025年に開講される授業をみました。

私は産業と社会コースなので、その中で気になるものとしては...

・生活経済学
・社会経済の基礎
・マーケティング
・企業経営の国際展開

あたりでしょうか。元気があれば「社会学概論」も取りたいですが、最近ではビジネスとのつながりが大きいほうが好みだったりします。

オンライン授業では

・サプライチェーン・マネジメント
・ゲーム理論入門

が興味があります。

特に、ゲーム理論入門は新規開講なのでどの専攻のどんな授業になるのかが興味深いですね。

2024年9月2日月曜日

放送大学:社会統計学入門(’24) - Introduction to Social Statistics('24) -

わりと難しかったけど面白い。


統計学をしっかりやりたかったので「身近な統計」と並行して受講。こちらのほうがコースの導入科目だからか、編著者や執筆者の先生方が社会学系だからか、よりデータの分析というところに力が置かれている気がする。

図表や練習問題がわりと社会学のまとめで出てきそうな内容に寄せているし、数学的というよりは実践を意識して深入りしていない感じ。内容は「身近な統計」と被るところも多いけれど、同じ内容でも違った角度から説明されると理解が深まるので、同時に受講したことでこの辺りの理解が深まった気がする。あくまでも気がする。


シラバスには「社会調査の基礎」を学んでおくことが望ましいと書いてある。

僕は「社会調査の基礎」は受講せず、教科書だけ買ってざっと目を通した上で受講。あらかじめ知っておくと見通しが良くなる感じはするものの、その知識がないとわからないというところはなさそう。

生成AIがいろいろな計算をしてくれるようになったいまでは、計算が自力でできること自体の価値はなくなっている。ただ、データをどう分析するか、どう判定するかのリテラシーは必要だと思う。その判定もGPTは教えてくれるけれど、やっぱり最後にその有用性を判断するのは人間だし、そもそもどんなデータを渡して何を得たいのかという設計や仮説は人間がやる意味もある。この「社会統計学入門」はかなりしっかりとデータ分析について学ぶことができるのではないかと思いました。


試験は電卓を使えば計算時間は十分に足りる感じ。放送大学の典型的な試験でひっかけ問題もなく選択内容がはっきりしているので落ち着いて取り掛かれば時間はたっぷりある感じ。教科書の後半を進めているときは試験は厳しいなぁと思っていたけど試験結果はⒶ。この科目はコースの導入科目ですが、試験自体は易しめ。社会科学をやる人であれば心理系の人も含めて取っておいてもいいんじゃないかなぁ。


第1章 社会調査のデータと統計分析の考え方

第2章 データの基礎集計(1):変数の分布を記述する

第3章 データの基礎集計(2):分布の中心、散らばりを測定する

第4章 標本に基づく推測統計(1):標本抽出と標本分布

第5章 標本に基づく推測統計(2):統計的推定

第6章 標本に基づく推測統計(3):統計的検定

第7章 グループ間の平均の差の検定(1):Z検定・t検定

第8章 グループ間の平均の差の検定(2):分散分析とF検定

第9章 離散変数間の関連(1):クロス集計表と独立性の検定

第10章 離散変数間の関連(2):関連係数と多重クロス集計表

第11章 連続変数間の関連(1):ピアソンの積率相関係数

第12章 連続変数間の関連(2):さまざまな相関係数

第13章 回帰分析(1):回帰分析の基礎

第14章 回帰分析(2):回帰分析の応用

第15章 講義のまとめと発展学習


第1章は言葉の定義も含めたイントロ。放送大学の教科書の第1章は、この授業の位置づけとか基本的な用語の説明が多い。ある意味「身近な統計」よりも身近に感じるようなデータをもとに、統計の考え方を説明するところから始めて、全体の構成や指針など。導入がとても分かりやすくて、とりかかろうという意欲が湧くね。

第2章、用語とヒストグラムや累積度数分布表のといった基本的なグラフの説明。ここでヒストグラムと棒グラフの違いが説明されてびっくり、いまさらながらこの違い初めて知りました(常識?)。互いの棒が隣接しているのがヒストグラムでカテゴリー間に順序があることを示していて、棒グラフはそれがないのだそう。これまでビジュアル面だけを考えて作っていた。こういった基本的なことがすっぽり抜けていたと思うと恥ずかしい。

第3章は導入科目ということもあり少し飛ばしながら平均値や中央値、分散や標準偏差の説明と、やっと定義っぽくなる。シグマ記号が高校と違っていたりするので一瞬独特な記法のように思えてしまうけど、こういうお作法もあるみたいね。

この章は統計学の基本中の基本が詰まった章という感じです。分散はあちこちで出てきますし、標準得点の考え方も統計学ではよく使いますし。ビジネスではまずz得点が理解できて、平均±1σみたいな感覚になれるとだいぶ違う。

第4章からはいわゆる統計学っぽい内容かな。標本分布というサンプルの平均という新しい考え方の登場。このあたりからが母集団の全数を確認することができない社会を扱う社会統計学っぽい。「標本」というものになれるのが統計学かなという気がします。標本の平均だとか標本の出現範囲などの概念は一瞬わかりにくい。標本が母集団の一部であるからこそ、母集団が均一でない限り無作為であっても一部を切り取るだけだと母集団からは少しずれたものが出てくる可能性が高い、でも何度も何度も標本セットを繰り返し取り出して平均をとっていけば母集団に近い値が得られるというところが大切なところのよう。

第5章、母集団から何度も標本を取り出せればよいけれど、実際の調査では一回きりなので、それをどうするかを考えるってこと?母集団から標本を取り出して計算する際に、母集団の平均が分かっているときと分かっていない時では結果変わるってそりゃそうだよな。実際、母集団そのものが分かっていないなかで標本を採るので、では一体母集団とどのくらい離れている可能性があるのかなんかを推定していく方法を細かくやる感じ。

第6章、統計的検定。何度やっても検定はわかったようなわかっていないような気がする。教科書の練習問題をしっかりやればパターンマッチで試験はできる気がするものの、どうも身についた感がしないのもこのあたりから。このサイコロに不正がされていないかなんてのはこの考え方を使うと検定できちゃうっぽい。ただ、理解をするって難しいなあ。Z検定、t検定ともに計算方法は同じなので計算自体はできちゃいます。

第7章はグループ間の平均の差の検定。ふたつのグループの平均、分散、度数から平均値に差があるといえるか、みたいな検定でクラス間での平均点に差があるといえるかみたいなことを検定できる。ビジネスではセグメントごとに比較するなんてことがよくあるから、アンケート調査などで規模が影響するのかしないかとか、特定の属性間の比較に使えそう。

第8章もグループ間平均の検定。3グループ以上の時に使われるF検定の話で、例に出ている労働時間みたいなのは部課間でどうなの、みたいなときに使えそう。教科書では2グループの例を中心に全体の平均を使ったり、それぞれのグループ内の平均を使ったりでいくつかの計算をすると検定ができるという紹介もされている。計算ルール自体は簡単なのでExcelなどで簡易な表を作って計算すると理解が早かった。

第9章はクロス集計表という個人的には身近な表。いわゆる縦計横計総合計の票をもとに、縦(行)と横(列)のパーセントを計算したり、合計の値を使って期待度数や期待相対度数を計算したりする。これもExcelなどの表計算ソフトの得意技。こういう値計算しているといかに表計算ソフトが便利かがわかる。

で、この章の後半はカイ二乗分布について。期待度数からの差を使って表全体を一つの数値に置き換えるようなものかな。

第10章は二つの表がどれくらい関係しているかをクラメールの連関係数というものを使って算出する。後半の疑似相関、媒介効果、無効果あたりはわかったようなわかってないようなで結局よくわかっていないまま進んだ気がする。このあたりから少し疲れ始めてきてちょっと手抜きが始まる。

第11章散布図をもとに共分散や相関関係。個人的にはここはよく仕事で使っていたことがあるので楽勝だった。共分散は式で書くとなんだかおどろおどろしい形になるものの、定義自体は実は簡単で、それこそ意味さえわかれば表計算ソフトで一発で出てくる。こう考えるとExcelってすごいよな。作っている人はこの計算パターンを理解した上でプログラムしているのだからすごいよなぁ。

第12章ではいろんな相関係数が出てくる。最初のうちの層別相関分析はある意味当たり前のことを言っている気もしないでもなかったが、まぁではどのように層を分けるのかによって結果も変わってくるので、層の決め方は結構重要なのだろう。

偏相関係数は考え方は試験にも出そうだし、元のデータの形を考慮しながらスピアマンをうまく使うなんてのは大切そう。章末の練習問題見てもそう思う。

第13章の回帰分析は相関係数と同じく、個人的には一時期ばりんばりんに使いっていたので見慣れた話。データをぶち込んで散布図を作り、なんとなく見た目で相関がありそうなときはExcelで一発作成がビジネスシーンでは有効。

第14章、前半で言わんとしていることは離散変数(例えば男女)別の集計データから、男性が1増える、女性が1増えるごとの結果への影響を出すようなものだと思うのだけど、ダミーという文字のせいかかえってわかりづらい感じ。2変数でダミー変数は0と1だけなので、0のほうを固定して1のほうが単位数量増えるごとの影響、っていうのは何となく感覚的にもわかるのですが、3変数になった場合は何なんだ、という感じでよくわからん。

第15章はまとめ。ざっと視点のおさらいという感じかな。先生が講義の中ではできる限り我慢して使わなかった考え方を一気に紹介している印象。統計上の制限とか各種バイアスの存在を前提に、やっぱり何も考えずにデータだけ見ていてもダメだよね、ということを言おうとしているようにも思える。後半は社会科学においての分析ツールとしての統計について熱く語られます。


データを取り扱う際に「分析」という言葉を使う人がたくさんいて、ビジネスのシーンでもすぐに「分析」という言葉が結構耳にするものの、多くの場合は「集計」どまりであることが多い。

「98%が満足している」みたいな結果が出たということを前面に出して優位性をアピールしている広告などについても、社会統計学を学んだ人であればその怪しさに気づくかもしれない。

統計学ではサンプルごとに計算するものがあったりで、サンプルが多くなるほど息の長い計算がたくさんあるため難しそうに感じることがあっても、言っていることは自体は結構シンプルなものが多い。日本語という自然言語で書いたら余計に面倒になりそう。

統計学はビジネスで使い勝手が良いので将来少しでも戦略とか分析とかに関わりたい人にはいいかも(すでに関わっている人にも)

数字って見せ方で全く違う印象になるけど、その背景とか意味を考えずに鵜呑みにしちゃうと人生に大きなダメージを与えることがあるから、こういうリテラシーって結構大切だと思っている。実務的にざっくりと全体を学び直すなんてことができたので、個人的には大満足の授業だった。

試験は思ったより簡単な気がしたけど、2024年1学期の平均は50点台だから難しめに入るのかな。

2024年9月1日日曜日

放送大学:会計学(’24) - Accounting('24) -

個人的評価
授業の難易度:★★(まずまず)
試験の難易度:★★★(時間が足りない!)
社会人おすすめ度:★(経理マンならいいかも)


会社で数字を扱うので、そこそこ真面目にやってみようかと思い立ったので。

結果、内容としてはとても満足です。資産除去債務、退職給付引当、のれん代など実務上出てくるので何となく理解しているようでやっぱりよくわかっていなかったというものがよくわかりました。

試験結果はC。いや~ギリギリ合格です。ナンバリング310何ですよね、この授業。内容的に結構わかっていたつもりですが、とにかく計算が間に合わない。「正しいものを二つ選べ」なので、五択のなかで一つあたりが見つかったら終わりではないので、実質的に取り掛かる問題数が多いです。当然ながら検算する時間もほどんどないということで、試験自体は散々な結果になりました。試験前までは何とかなるだろうと思っていたのが、試験で全く通じなく愕然とした授業でした。

個人的には学ぶことが多く取ってよかった授業の一つに上がります。一方で万人にお勧めするとなるとちょっと専門度が高いかなという気がします。営業マネージャーとかであればここまでの会計理論は不要です。逆に経理マンやM&A担当を目指す人なんかはいいんじゃないかなぁと。デューデリジェンスの際の企業価値評価のベースにはやっぱりこうした会計知識必要ですし。


第1章 会計の意義

第2章 複式簿記の仕組み

第3章 簿記一巡の手続

第4章 貸借対照表と損益計算書の作成

第5章 資産会計(総論)

第6章 資産会計(流動資産)

第7章 資産会計(有形固定資産)

第8章 資産会計(無形固定資産・投資その他資産)

第9章 負債会計(総論・流動負債)

第10章 負債会計(固定負債)

第11章 資本会計

第12章 損益会計

第13章 財務諸表

第14章 連結財務諸表

第15章 財務会計の展開


第1章は会計学そのものの説明です。会計学の教科書とか、アカウンティングの真面目な本では最初に出てくるような役割面と公準、ストックとフローの概念と貸借対照表と損益計算書に行くのですが、「財務三表」として挙げられるキャッシュフロー計算書についてはあまり力を入れていないんですね。「会計学」っていう範疇だとこれは違うのかな。

第2章、複式簿記の仕組みです。おそらく伝票をうんざりするほど扱っている人や、ビジネス面で財務諸表を見ている人にとっては飛ばしてもいいくらいではないでしょうか。

第3章は簿記の流れです。ここも簿記3級レベルの人であれば難なくクリアです。放送大学は多種多様な学生が来ていることを踏まえて、最初の3章くらいはごくごく基本的なことをしっかり説明するというパターンが多いですね。

借方と貸方という概念が最初の壁だと思うので、初学者はまずここからと思うものの、本当の初学者は専門科目に分類されるこれをいきなり取らないかとも思うので、ややこの章の位置づけは不明です。

第4章、このあたりからが会計学の始まりな気がします。現金主義と発生主義の違いは割と重要。その違いがいろいろな言葉で出てくるので、一気に会計感が増します。この章もどちらかといえば定義のお話で、ケーススタディというよりはあくまでも理論を進めていく感じでした。

第5章は資産の分類です。正常営業循環基準、一年基準といった流動資産の考え方と、それを超える固定資産の考え方などの整理ですが、ここもやっぱり簿記などをやっている人にとっては知っていることが多いという印象でしょうか。後半の貨幣性資産と費用性資産や資産の評価あたりは少し授業っぽさを感じます。最後の現在価値については私は先にファイナンスの授業をとっているので楽勝な考えではありますが、ここはもう少し細かく説明しないとよくわからないという印象になる人多いかもしれませんね。

第6章は流動資産。棚卸資産や有価証券についてがポイントでしょうか。

第7章は有形固定資産。ここはわりと大変。減価償却はふだん何らかの会計やっている人であればあたりまえなことではあると思うのですが、減損会計やファイナンスリースの計算などは手を動かすことが少ないので、実際に計算しようとするとなかなか大変。支払利息と減価償却を両方計算するので慣れれば簡単な理屈ではあるものの、手計算では結構時間がかかります。

第8章は無形固定資産、投資その他の資産。ソフトウエア資産の計上は多くの会社で使われる結構大切な考え方ではありますが、SaaS以降はこの手の重要度は減りました。一方でM&Aが多くの会社に身近になってきた今ではのれん代の償却計算が結構身近なテーマですね。会社がM&Aして特定の部門の予算に組み入れられるとその償却費用を予算計上しないとならないので、知っておくと「M&Aで売上増えてラッキー!」みたいな安易な話にはならないことがわかります。

そのほか有価証券の評価も結構熱いテーマです。洗い替えの方法などはいかにも試験に出そうなテーマです。

第9章から負債です。資産と同様に流動負債から入りますが、負債をどのように認識するかが細かく説明されます。引当金あたりはビジネスでも考え方を知っている必要がありますね。

第10章の固定負債は社債、資産除去債務、退職給付引当金あたりは以下にもどれかが試験に出そうな雰囲気です。というか、両方試験に出ました。短時間で計算ができるようにするために相当練習が必要です。私はこの辺軽くできるとおもって舐めていたので試験で計算が追いつかず痛い目を見ました。

第11章はいわゆる「純資産の部」の説明です。純資産の部がどのように構成されているかが分かれば良いのかと。

第12章、ここにきてP/L(損益計算書)の話がちょっと出てきます。なるほど会計学ってB/S(貸借対照表)から入る感じなんですね。複数要素の契約と返品権付き販売も計算問題で出そうな雰囲気です。

第13章、財務諸表。ビジネスとして重視されるキャッシュフロー計算書がここでやっと出てきます。

第14章の連結財務諸表は関係会社間での取引を正しく理解するために結構重要かも。個人的にはグループ会社間での取引を正確に理解できて親子間での取引のアイディアにヒントをくれる項目でした。

第15章は全体のまとめと財務マンが知っておくべき知識といったところでしょうか。有価証券報告書の件は会社経営者にも役に立つ内容ではあるのですが、一般的にはここに至るまでの章は経理畑の人以外にはオーバースペック感がありますし、逆に経営担当者にはこの章が言わんとしていることが現実とずれていると思いがちではないかという気がします。


会計学はなかなかアカデミック寄りなので、産業・経営系の基礎科目ではありながら、実務面で必要とするものとは少し違ったかなという感じです。逆に、会計をしっかりやりたい人にとっては一つひとつ丁寧に細かいところまで押さえている授業という印象なので真面目に取り組むと会計に一言ある人になるのではないかと。将来的に経営層を目指すのであれば、きちんとした会計議論ができる基盤になるので実務面にとらわれすぎずに受けるのが良いかと。

とにかく硬派です。大学の授業っぽいので、放送大学もこういう授業がちゃんと一定数残ることを期待します。


放送大学の入学資格

 放送大学の入学資格で、独特なものとして7B「選科履修生または科目履修生として本学の基盤科目または導入科目から16単位以上を取得した18歳以上」というものがある。 つまり、18歳以上なら、事前に放送大学の特定の科目で16単位を取得していれば全科履修生の入学資格を得られる。 放送大...